sunarit’s blog

Unity開発の備忘録

【オススメ!】Erosion Brush

バージョン: 1.4

地形作成ツールである「Erosion Brush」を使用してみました。
以前紹介した「Gaia」のように、Unityには地形(Terrain)を作るのに便利なアセットがいくつもリリースされています。Asset Storeを見ていて、たまたま目に入り、チュートリアル動画を見て「これは便利そうだ」と思ったのが購入したきっかけです。

リリース直後から非常に多くのユーザーを獲得した「Gaia」はアップデートを重ね、リリース初期にはなかった自動地形生成機能も搭載されたりと、UnityでのTerrain生成ツールとして現時点でのスタンダードとなっています。これに比べ、「Erosion Brush」は自動地形生成機能はなく、あくまでユーザーの地形作成を助けるツールです。

「Gaia」があらかじめ用意されている地形スタンプをペタペタ押しながらイメージどおりの地形に仕上げていくのに対し、「Erosion Brush」はTerrainで大雑把なデザインを決めて、それを基にリアルな地形に変形させていきます。
チュートリアル動画を見ると分かりますが、非常に直感的でスピーディーに地形を作成しています。作りたい地形のイメージが明確に頭にあるのであれば、「Erosion Brush」の方が素早く作りやすいように見えます。

というわけで、「Erosion Brush」を1時間ほど使用し、ある程度操作を覚えてから実際に地形を作成してみました。この時点でかなり早く思い通りの地形を作成することができるのが分かったので、果たしてどの程度の時間がかかるのか実際に計測してみました。
お題として「山沿いの道 & 崖」という地形を作成します。

では、開始です。
(経過時間がわかりやすいように、上部に時計を置きました。シカゴ時間になっていますが、日本に設定するのが面倒だったのと経過時間さえ分かればいいのでそのまま続行しました)
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Create -> 3D Object -> TerrainでTerrainを設置し、Textureを設定します。
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UnityのTerrainインスペクターで適当にあたりをつけながら、起伏を設定します。
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「Erosion Brush」のNoise機能で大雑把に地形にノイズを乗せます。
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UnityのTerrainインスペクターで山の端を平らにした後、再度Noise機能で微妙な起伏をつけます。
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「Erosion Brush」のErosion機能でテクスチャーを貼りながら、地形の調整をします。
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UnityのTerrainインスペクターのSmooth機能も併用しながら、さらに微調整をします。
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完成です。
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15分足らずである程度イメージどおりのものが完成しました。もちろん実際にはテクスチャーの修正や、さらなる調整が必要だと思いますが、プロトタイプを短時間で作れるというのは作り込みの時間が増えることを意味しますので非常に大きなメリットです。

最後に、この地形をローポリ化し、前回の記事で紹介した「AQUAS」を入れ込んでiPhone6実機で実行してみたのが下のアニメーションGIFです。「AQUAS」で作った海面にはmeshfilterを動的に変形させて波っぽく見えるようにしています。
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「Gaia」とは異なるアプローチで地形を作成する「Erosion Brush」ですが、自分としては「Erosion Brush」の方が合っているように思いました。ただし、「Erosion Brush」には木を植えたり、オブジェクトを置く機能はありません。モバイルをターゲットにした場合、普通に木やオブジェクトを置いただけではパフォーマンスに如実に影響を与える可能性が高いため、そもそも「Gaia」使用時にはそれらの機能は使わず、スタンプによる地形作成とテクスチャーのスポーン機能くらいしか使っていませんでした。なので、それらの機能がなくても自分には問題ないのですが、人によっては重要な機能であるかもしれません。「Erosion Brush」の購入を検討している方は要チェックです。

Asset Storeで購入した価格は25USDですが、その価値は十分にあると感じました。もしかしたら、今後「Gaia」は使わないような気すらしています。

「Erosion Brush」のフリー版としてNoise機能のみを取り出した「Noise Brush」が公開されています。Noise機能だけあってもあまり使い道がないような気がしないでもないですが、気になる方は試してみてもいいかもしれませんね。

Asset Store